枕然記

春はあけぼの 日暮らし硯に向かひて 久しくとどまりたる例なし

性を語ろう ミレーナ編

「性を語ろう」シリーズ第2弾

今回は、私が現在進行形で使用しているミレーナについて語ります。

 

ミレーナって何?

正式名称は「ミレーナ®52mg」、実は商標名です。

子宮内システム(IUS: Intrauterine System)というのが製剤名。

IUSのメカニズムについて、詳しくはこちらをご確認いただくとして…

www.hininno-susume.jp
こちらも簡単にまとめておくと

  • 子宮内に装着し、最長で5年間使用できる
  • 子宮内にのみホルモンを放出し、内膜が厚くなるのを防いで着床を阻止
  • 同時に粘液を変化させ、精子の侵入を防ぐことで避妊効果を上げる
  • 内膜が厚くならないので、月経量が格段に減り、無月経になる人もいる
  • 装着が適さない人もおり、マイナートラブルもある
  • STD(性感染症)は防げないので、コンドームとの併用が必要

といったところです。

日本では2007年から自由診療で用いられるようになり、2014年からは過多月経や月経困難症*1で保険適応となりました。

避妊の場合は適応外で約5万円、保険適応で1万円弱になります。

世界約130カ国で、延べ約3,900万人の女性が使用していますが、日本ではまだまだ認知度も低く、どの婦人科でも扱っているわけではないのが現状です。

 

私がミレーナを使うワケ

私がミレーナの使用を決めたのは、実は二女妊娠中のこと。

悪阻がひどく、ほぼ寝たきりのような状態に陥り、あまりの辛さに「この子が無事に生まれたら、二度と妊娠なんかするもんか!」と強く思ったのでした。

何より効果の高い避妊法として、避妊手術(卵管結紮*2)があげられ、私の身近でも、産後すぐにこの手術を受けた人がいます。

ただしこれは、これ以上の妊娠出産はリスクが高いと判断されたため。

私の場合、子どもは2人でいいと思っていても、何年かしたら最後にもう1人ぐらい…と思うかもしれないと考えていました。

事実、今はあと3年ぐらいしたら、令和生まれが1人ぐらいいてもいいかななんて思っています(笑)

また、避妊効果はほぼ100%ですが、卵巣機能に影響を与えるものではないので、生理は普通に来るのです。

 

妊娠中、悪阻を筆頭に様々なマイナートラブルに襲われ、本当に大変な思いをしましたが、唯一といっていいぐらい楽だったのは生理がないこと。

私はPMS(月経前症候群)や生理痛がそこまでひどいほうではありませんでしたが、ピーク時に鎮痛剤を飲む程度には痛みがあり、決して気分のいいものではありません。

特に、長女出産後に生理が再開すると、痛みや吐き気があっても子どもの相手はしないといけないし、出血があってもお風呂に入れないといけないということが、本当に鬱陶しく感じられました。

私が望んでいたのはほぼ確実な避妊効果ですが、それと同じくらい「生理がこない」というのが魅力的だったので、ミレーナの使用を決意したのです。

 

ミレーナ使用体験記

装着まで

ミレーナは子宮内に装着するものですので、当然自力でできるわけではありません。

娘たちを出産した病院で相談したところ、ミレーナは取り寄せになると言われ、装着に消極的な様子でした。

そこで、他の病院に電話で問い合わせ、扱いがあることを確認して受診。

ミレーナは生理終了から排卵までの間に装着しなければいけないとのことで、タイミングを見計らって再受診することに。

授乳中は子宮が収縮しているので、うまく入らないかもしれないよと言われましたが、卒乳を待つのも嫌だったので、とりあえず入れてみてくださいとお願いしました。

 

ミレーナはT字型ですが、もちろんこの状態で子宮に入れるわけではありません。

子宮頸がん検診時のように器具で子宮口を開いて消毒、筒状に閉じた状態で子宮に挿入し、中でT字型に開く仕組みになっています。

経産婦に向いているのはこのため。

やはり、一度子宮口が開いた経験があるほうが、装着しやすいからなのです。

ただ、未産婦でも対応してくれるところはあるようですし、逆に経産婦でも帝王切開だった場合は受け付けてもらえないこともあるそうです。

 

装着にあたって、皆さんが気になるのは、おそらく「痛み」ではないでしょうか。

子宮頸がん検診の経験があれば、子宮口を開けるところまではなんとなく予測できるかなと思います。

器具を使いますので、もちろん違和感はありますし、敏感な方は多少の痛みがあるかもしれません。

私の場合、ここまでは大した痛みがなく、実際に装着する際、生理痛のような重い痛みがありました。

でも、その痛みもほとんど一瞬。

それ以上に、何か入ってきた!という異物感のほうが強かったですし、卵管造影検査*3のほうがよっぽど痛かったです。

さらに言えば、人生最大の痛みは陣痛ですので、それに比べれば蚊にかまれたようなもの(笑)

ちなみに、内診台に上がってから装着完了まで、5分程度でしょうか。

予想以上にあっという間で、拍子抜けするほどでした。

 

装着から検診まで

装着が無事に完了し、注意事項*4を聞いて帰宅。

そこから、生理痛のような鈍い下腹部の痛みは2~3日続きました。

また、ホルモン剤の影響で、2か月程度不正出血が続きました。

出血量は夜も昼用のナプキンで賄えるぐらいでしたし、痛みはなかったので、出血が収まるまでちょっと面倒だなと感じる程度でした。

 

ミレーナを装着したのは9月初旬。

痛みや初期の不正出血以外の出血がなく、特に問題がなければ年内に1度チェックに来るようにと言われていたので、12月に入ってから検診に行きました。

初期の不正出血が収まってから、おそらく1度は生理が来ていたはずですが、「これが生理!?」とびっくりするほど経血量は減り、生理痛等も全くなくなっていました。

先生からも「楽になったでしょう」とのお言葉をいただき、きちんと正しい位置に留まっているか、その他問題がないかをエコーで確認してもらいました。

この後、ミレーナのチェックは子宮頸がん検診と同じタイミングでいいよと言われています。

もちろん、痛みや出血等、何か気になることがあれば受診が必要ですが、今のところ問題なく過ごせています。

 

ミレーナのメリット・デメリット

メリットとデメリットについて、こちらにうまくまとまっていますが、ここには載っていないこと、私が使用していて感じるメリットとデメリットについてお話しします。

www.hininno-susume.jp

メリット

・生理からの解放

もう、ミレーナの何がいいって、これに尽きると言ってもいいぐらい。

ミレーナ装着から10ヶ月近く経ちますが、もはや生理なのか不正出血なのかわからないレベルにまで経血量が落ちています。

少し心配かなと思う夜は昼用ナプキンを使っていますが、基本的にはパンティライナーで十分対応できます。

生理痛もありませんし、何よりお風呂の心配がなくて、とにかく快適。

乳幼児の育児中で、これ以上の妊娠を望んでいない、もしくは少し期間を空けたいなら、私はミレーナ一択だと思っています。

 

・抜群のコストパフォーマンス

保険適応であれば1万弱で装着可能で、その後の受診を考えても年間2万かからない計算。

適応外の場合は5万を超えますが、最長5年使用できると考えれば、年1万弱といったところになります。

また、生理用品がほぼ必要ない状態になるので、その経費も浮くわけですね。

前回取り上げたピルは、適応外で年間5万。

さらに生理(らしき出血)はあるので、生理用品は当然必要。

比較すれば明らかなように、ミレーナは抜群のコストパフォーマンスを誇るのです。

 

・授乳中でも問題なし

 ピル編で触れ忘れてしまったのですが、ピルはホルモン剤なので、授乳中には服用できません。

それに対してミレーナの場合、ホルモン剤の影響は子宮内に限定されるので、授乳中でも問題なく装着することができます。

入りにくいかもしれないという問題さえクリアしてしまえば、定期検診を忘れないようにするぐらいしか気にすることはありません。

 

デメリット

・生理周期がわからなくなる

これはある意味皮肉なことではあるのですが、生理がないに等しい状態になってしまうと、健康診断を受けたり他科を受診した際、ひとつ困ってしまうことが…

それは、最終月経を書く欄がある時。

私自身はまだそうした場面に出会ったことはないのですが、正直書きようがないですよね。

おそらく「ミレーナ使用中のため不明」とでも書くことになると思いますが、婦人科でも取り扱いのないところがあるほど、まだまだ知名度の低いミレーナ。

この回答で理解してもらるのか、説明して納得してもらえるのかが不安なところです。

 

PMS対策には向かない

ミレーナのホルモン剤は子宮内限定。

ということは、脳からのホルモン分泌には影響せず、そちらが主な原因であるPMSには効果がないということになります。

経血量はガクッと落ちるので、生理中の諸症状は改善されると思いますが、PMS対策にはミレーナよりもピルが勧められています。

 

ミレーナ編 まとめ

私は経産婦の友人に、積極的にミレーナの話をしています。

ピル編でも述べたように、選ぶかどうかは個人の自由。

でも、知らなければ選びようもない。

ただでさえ体力的にも精神的にも大変なことの多い育児中、少しでも快適に過ごせる可能性があるなら、それを知らないのは損ではないでしょうか。

私自身、ミレーナひとつでこんなにも快適に過ごせるのかと感動していますし、もっと一般的になればいいのになと思っています。

数年後、ミレーナを外して人生最後の妊娠を望むか、そのまま継続して使用するかの判断をすることになると思います。

仮に妊娠を望んだとして、それが叶っても叶わなくても、いずれまたミレーナを使うことになるでしょうし、問題がなければ閉経までお世話になるつもりでいます。

今後ミレーナの認知度があがり、誰もが気軽に選べる選択肢のひとつになってくれれば、これほど嬉しいことはありません。

*1:生理中に鎮痛剤が必要なら、月経困難症と判断していいと思います。

*2:らんかんけっさつ。卵管を縛る、切断する等の方法で、卵子が受精する機会を奪う。一度手術すると元に戻すのは困難。

*3:不妊に関する検査のひとつ。詳しくは不妊治療編で解説します。

*4:ここで「旦那さんが痛みを感じる場合がある」と聞き、ちょっとした衝撃を受けました。これは、ミレーナを取り出すためのワイヤーを、子宮口から少し出た状態にしているため。このワイヤーは時間とともにやわらかくなり、子宮の壁に張り付いたような状態になるそうです。仮に男性が痛みを感じるようであれば、短く切ることもできるそうです。